2010年7月16日金曜日

7/10: 生西康典・宇波拓WSショーイング / プネウマとともに レポート

生西康典・宇波拓WSショーイング|ことばにはできないこと
生西康典さん、宇波拓さんの作品。一般の方々の募集によるWSでの作品作り。作品制作において、じっくり取りかかる時間がないにも関わらず、緻密な構成によってできあがっている。出演者、全員が歌い出したときは、誰もが楽しめ、作品を納得できる、何かエンターテイメントとしての嬉しさがこみ上げてきた。センスが良く、アートとして言葉、音楽、ダンス、照明などをエクスチェンジさせ、舞台作品として成立させることのできるアーティストだと思った。

プネウマとともに―ダンスとことばが出会う場所
「プネウマとともに」は、西村未奈さんのソロから始まった。自身の発する言葉とダンスが客観的に統制されていて、さりげない抽象性と静けさが超クール。日本には、あまりないタイプの作品。

僕の「発する身体」は、たった7回、2時間のリハーサルで、ここまで到達するとは思わなかった。母音から日常言語、万葉集が交差するプロジェクトの到達地点は見えないが、結構日本語の美しさと、発することの壮快感が、お客さんに伝わるし、未来に対しての必然を感じるので、是非継続していきたいプロジェクト。

足立智美さんは、どうなって、いろいろな音が出てくるのだろうと思いながら聞いてしまう。やはりさすがだと思った。

詩人とダンサーとのセッション。空間の言葉とダンスが共存することの、心地よさは通低していた。
三角みづ紀さんと笠井瑞丈くんは、三角さんの発声、歌が、しっかり確立しているので、瑞丈くんのダンスの空間との関係性がいい。
林浩平さんとJOUさんとのジョイントは、林さんは朗読することに徹底していて、パフォーマーとしてのモチベーションをもう少し考えるべき?と思った。
吉田文憲さんと川野眞子さんとのジョイントは、薄暗い中で、川野さんの独特な雰囲気を醸し出すムーブメントと吉田さんの言葉がかなりインティメイトで独特。しかし吉田さんのシチュエーションが洞穴での設定とか、または場所の移動とか低い姿勢の身体のポジションでの発声とかあると、作品が強くなると想像する。二人は、またトライすべき。
僕のキュレーションで、絶対合わない同士をわざと出会わせた、平田俊子さんとAbe"M"ARIAさんとのジョイント。詩とのジョイントおいて、もっとも二人の凄腕パフォーマンスだった。噛み合ない横断性において朔太郎は、うれしがっていると思う。
稲川方人さんと工藤丈輝さんのジョイント。双方の意気込みは、十分に伝わるし、工藤くんの舞踏の身体性を堪能できるのだが、双方が、一緒に結合するような瞬間が欲しかった。
詩人とダンサーとのジョイントは、プログラムとしては、いいと思う。今後は、詩人の方々が、朗読だけでなく、三角さん、平田さんのように、パフォーマンスとして意識して欲しいと思った。それと、ビジュアルアーティストとのジョイントも見たいと思った。

山崎広太