2010年7月17日土曜日

7/15: 透明なサイト・スペシフィック レポート

午後1時からの20分間、渋谷南口駅前のバスターミナルを横断歩道で渡った通りに、パフォーマー6名がたたずむサイト・スペシフィックのパフォーマンス。パフォーマーは、三井住友銀行を中心にした建物を背に、駅に直面する身体の向きで、通りに4、5メートルずつの間隔でwaitingしている。そこにいる誰もが、たえずどこかへ向かうために移動し、またとどまっていても煙草を吸ったり携帯電話を操作し、何かをしている渋谷という都市では、ただ不動の待つという行為が際立った差異として認識される。さらに、その完全な無目的性がかえって謎に映った。静謐さをたたえ、きりりとした(現代の巫女のような?)彼らの身体は、ここにおいては、ことさらに何かを行なうということなしに、渋谷の風景を異化する作用を及ぼしていたように見えた。

これは確かに、都市がもつディレクションに対するシンプルなアプローチの一つではあるだろう。今後、都市の条件をもパフォーマンスの一部として含めたうえで、ダンスを組織する方法を模索しうるのではないだろうか。

【プログラムの詳細】
【パフォーマンスの模様】

印牧雅子