2010年7月7日水曜日

7/6: 井戸端会議 / スタジオラボ レポート

アーティスト井戸端会議
また、一つの種が蒔かれたという印象で、このような会議を開くことができて本当に嬉しかった。
スタジオラボ北尾さんチームがゲネプロのときに、5Fのギャラリーで、畳を敷いて、薄暗い中。サマーキャンプで、皆で夜を過ごす、わくわくした雰囲気の中の設定。
先ずは、紙幣はただの紙であり、価値がないものとして考えた場合、先ず、交換ということが重要なファクターになる。それに関連して、WWFesにおける、インターシップのことが、何か重要なミソを秘めていると予感する。例えば、彼女らは、自由にクラスを受けることができ、多くものを吸収し、その受講料の交換として、WWFesではスタッフとして関わらなければならない。そのスタッフも、照明、舞台監督、制作等、同時に勉強することになるのである。そのことから、連想すること発想することは何かと尋ねながら始まった。
もっとも社会的にマイナーなダンスで、どういうふうにダンスをしながら生活を続けることができるかということは誰もが思っていること。マイコちゃんは、介護との両立。チヒロちゃんは、今大学4年生で、どのように続けることができるかのという不安。カドさんは、ジョウさんの、海外で活躍しているアーティストを聞く会を増やし、成功した人たちのマニュアルをもっと伝えるべきだとか、いろいろ。
最終的な意見として、ダンスの範囲内でできることはないのかということ。例えば、照明家に普段支払うお金は、一日35,000円、高い。ダンサーも振付家も照明が出来ればいいのにと普段から思っていた。アーティストのための照明、または舞台監督のクラスを今後WWFesで持ちたいし、ダンサーで音楽が作れない人は、ダンサーで少しでもできる人とシェアし、その報酬として何かを考えること。または、そこから発展する仕事へと結びつけること。そしてその仕事とダンスを両立させること。ベンチャー企業は全て、最初はプロフェッショナルでなくても、人とのシェアを通して発展させている現状。他にも、ダンスの範囲内から、発展させることが、絶対的にあると予感する。
先ずは、シェアする、シェアできる、そして出会う場を設定することが必要ではないかと思った。また、直ぐにでも、この井戸端会議を開こうと思った。

【プログラムの詳細】
【会議の模様】

スタジオラボ
6月20日の森下スタジオでのオープンリハーサルで、北尾亘さんチームに対して、一抹の不安があった。3人のムーブメントにおける方向性がばらばらだった、適当に作っていないのかな?と。そして、昨夜の本番では、すばらしかった。独特でオリジナルなムーブメントにおける認識が3人ともクリアになっていた。そうか、そういうささやかな、一つのことから、多くのことを導き出し、作品化できると。彼らのフルイブニング・レングスの作品を見たくなった。
寺田未来さんチーム、矢内原さんも指摘したように、言葉とムーブメントの関係が見いだしていたないことは事実。しかし、段々後半にしたがって、その関係性を超えることが見えて来た。楽しいひとときだった。
アフタートークでは、笠井叡さんと、矢内原美邦さん、世代を超えたカジュアルな雰囲気の中、矢内原さんの笠井への質問など、和やかだった。もっと、このような会話の場を持ちたいと思った。
そして、この文章を書く前の、朝のアサヒアートスクエアに向かう銀座線のなかで、このスタジオラボ、NYのDTWのスタジオシリーズを超えたと思った。このプログラムは、NYのDTWのスタジオシリーズを真似たもの。もっとも、この真似ることが、開催するものにとって、一番のストレスだった―自分自身、日本に10年近くいないで、無理矢理、日本のアーティストに押し付けているのではないかとか。NYには絶対ない、日本人ならではのコミュニティの本来持っている、しっとり感、柔らかさ、優しさを、このフェスで発見した。ここから何か発展できるのではないかという予感。そしたら、涙が溢れでてしまった。 

【プログラムの詳細】

山崎広太